最近、ちょっとだけ暖かく感じる日があって、すごく嬉しくなりました。でもその後やっぱり寒い日もあって、「そうだったー」と震えました。
ただ、寒い日もあるけど、それ以上に暖かい日もくる希望のある今の時期、嫌いではないです。三寒四温、私の好きな四文字熟語です。
早くもっと暖かくならないかな。そしたら散歩に出て、道や公園などに生えている植物を見に行きたいです。今回はそんな気持ちにさせてくれた本2冊について書きます。
1冊目はこちら。
鈴木純『そんなふうに生きていたのね まちの植物のせかい』
住宅街や公園などで見つけられる身近な植物について、文章と写真でカジュアルかつ丁寧に紹介されています。
近所で見かけたことのある植物(例えばヒガンバナとかネジバナとかソテツとか)も、近くでじーっと観察したことはなかったので、この本でその美しさや生存戦略の鮮やかさを知れて感動しました。
あと、これまで気づかず通り過ぎていただけの植物も、今後は存在を認知し、関心を持てるようになったかもしれません。ツメクサとか。
とにかく写真がとても楽しくて…!肉眼で見るよりも近い距離感の写真がたくさん載っています。
個人的に、普段見かける多くの植物の写真って、どんなにきれいに撮られていても、どうしても肉眼で見た時の迫力には敵わない印象でした。でもこの本に出てくる写真は、肉眼では捉えきれない植物の美しさを教えてくれました。
つやつや、ふくふく、つぶつぶ、ふぁさふぁさ。幾何学的でありながら、法則性を飛び越えた配置もあったり。当たり前だけど、植物って(自然界のものって)美しいですね。
もちろん写真だけでなく、文章も素敵なんですよ。写真に添えるように、吹き出しで著者さんのその植物を観察しての感想が添えられているのが、読み心地軽やかで好きでした。
それだけでなく、各植物の構造や仕組み、特徴もわかりやすく説明されていて、始終「へぇ〜!」となりながら読んでいました。
植物それぞれの美しさや面白みがありますが、それは生存戦略というか厳しい自然の中で生き残るための工夫から生まれているんですよね。凄いな、全植物凄い。
とにかく、「ここで紹介されている植物のことをもっと知りたい・お近づきになりたい」と自然と思える一冊でした。
これまでは散歩中に気になる植物があっても、周りの目が気になって、せいぜい数秒立ち止まるだけで、じっくり観察したことはありませんでした。が、この本を読んだことでそんな羞恥心より植物に対する好奇心が勝ったので、この春は観察に挑戦してみたいと思います。
※本の最後に参考文献も紹介文付きで載っていて、どれも面白そうで読んでみたくなりました。
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もう一冊はこちら。
前田まゆみ『野の花えほん 春と夏の花』
こちらはえほんというだけあって、全ページイラストで身近な植物の紹介がされています。
このイラストがとても可愛らしく、それぞれの植物の魅力がひしひしと伝わってきて、眺めているだけで自分の中にその花がぶわーと咲くようなときめきがありました。
こちらも植物の特徴や歴史が端的に紹介されていて読んでいて楽しかったです。ハルジオンやシロツメクサといった身近な植物たち、ずっと昔から日本で咲いているかと思っていたら案外と明治や大正に海外からやってきたと知り、へぇーとなりました。割とニューフェイスじゃん、って。
あと割と内容が食いしん坊というか、紹介されている植物の食べ方まで紹介されているのが好きでした。カラスノエンドウの豆、食べようと思えば食べられるんですね。(ちゃんと無闇につんで食べちゃダメだよと注意書きもされてます)。
同じシリーズの秋冬版、あとはお庭の花版もあって、そちらも同様に全編可愛いイラストで、より身近に感じられるような活用方法が紹介されていました。
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どちらの本も読んでいると実際の植物を見に行きたくなりました。これからやってくる暖かい季節が楽しみです。
おしまい。