朝の散歩(フジオのブログ)

日記、感想、創作など。

ポインミー、家で過ごす

天気予報通り、朝起きると、外はひどい雨と風でした。

 

ゴウゴウ鳴る風と、ビチビチ窓に打ち付ける雨の音で、部屋の中は騒がしいです。

 

(昨日のうちに、庭の鉢植えを避難させて良かった。)

 

ポインミーは足下に並んだ植物たちを眺めて思いました。

 

 

 

さて、今日はおでかけは控えて、部屋でのんびり過ごそう。

 

(時間があるからね、朝ごはんもいつも以上に楽しめるぞ。)

 

ポインミーは冷蔵庫や食料棚からあれこれ食材を取り出し、それらを薄く切ったり一口サイズに切ったりしました。

 

バナナ、モモ、キュウリ、レタス、ハム、イチゴジャム、チョコレート、ツナ缶、トマト、チーズ、塩ゆでしたオクラ、あんこ・・・。

 

ポインミーは朝から何を食べるつもりなのでしょう。

 

 

最後にポインミーは冷蔵庫からクリーム色の液体の入ったボウルを取り出し、油を熱したフライパンにおたま1杯ずつその液体を流し込み始めました。

 

そう、ポインミーは今日、朝からクレープを食べようとしていたのです。

 

昨日から決めていて、クレープ液は夜のうちに用意していました。

 

大きく薄いクレープになるように、フライパンをくるくる傾け、はじっこがパリッとなってきたらひっくり返す合図。

 

ポインミーはお箸とヘラで器用にクレープを裏返し、両面を焼き上げると、大きなお皿にぽいぽい重ねていきました。

 

1枚焼いてはまた1枚、ポインミーは無心で作業を繰り返しています。

 

朝ごはんをのんびりつくるのは楽しいなあ。

 

クレープ生地を全部焼き上げたらコーヒーもいれて、いよいよ朝ごはんの準備が整いました。

 

いただきまーす。

 

ポインミー、まずはバナナ・ヨーグルト・ハチミツの組み合わせからスタート。

 

食材をクレープの上になんとなく乗せ、くるくる巻きます。

 

そしてがぶりと頬張ると、まあおいしい!

 

うす甘くて香ばしい、でもふんわり柔らかいクレープで包むと、全ての食材がいつも以上においしく感じられます。

 

バナナクレープの次は、ツナ・キュウリ・マヨネーズでどうだろう。

 

これもおいしくないわけがありませんね。

 

キュウリのポリポリした食感も楽しく、ペロリと平らげました。

 

途中コーヒーでお口の中をリセットさせながら、ポインミーは甘い具材のクレープと、しょっぱい具材のクレープをかわるがわる食べていきました。

 

クレープがなくなるころはもうお腹がいっぱい。

 

贅沢な朝ごはんでした。

 

 

 

外は相変わらず嵐の様子でしたが、おいしい朝ごはんを食べたポインミーは元気。

 

オーディオのそばに行くと好きな音楽をかけ、台所の片付けとお部屋の掃除をさささと済ませます。

 

それから椅子に腰掛けて久しぶりの裁縫を始めました。

 

まずはこの間ボタンが取れてしまったシャツのつくろい。

 

針と糸でちくちく縫い付けていきます。

 

これでもうしばらくこのシャツを着続けられそうです。

 

次に、この間リンダおばあさんからもらったかわいいお魚模様の布に色鉛筆で何か描いています。

 

そしてキルト生地も取り出して、作業台の上に魚模様の布と重ねて置いて針で留めると、さっき描いた線に合わせてジョキジョキ切りました。

 

それから作業台にミシンを持ってきて、さっきの布たちをガガガを縫いだしました。

 

途中でひもを挟んで、縫い終わったら表と裏をひっくり返して、また縫って・・・。

 

ミトンができました。

 

手にはめてみて、はむはむと動かしてみて、その使い心地にポインミーは満足げです。

 

台所で熱いものを持つときに役立ちそうだね。

 

うまく作れて嬉しくなって同じものをもう1つ作りました。

 

 

 

裁縫にすっかり夢中になって、時間が過ぎるのを忘れていました。

 

もう午後3時。

 

お昼ごはんは食べていませんが、朝のクレープでお腹がぽんぽんだったので、気にならなかったのです。

 

とはいえ小腹はすいてきたので、ポインミーはおやつタイムとすることにしました。

 

冷蔵庫からこの前作ったカルピスのゼリーを取り出し、食料棚のクッキー缶からビスケットを2枚、それからやかんでお湯を沸かしてジャスミン茶を入れました。

 

透明なグラスで作ったゼリーは眺めているだけで涼しいです。

 

ぷるぷるをスプーンですくって口に運んでいきます。

 

カルピスのさわやかな味、ひんやり、ぷるぷる、おいしい。

 

ジャスミン茶の花の香り。

 

ひんやりした食べ物のを食べる合間に飲む温かい飲み物は、いつも以上にからだに優しい感じがします。

 

ちょっとしょっぱくてざっくりした食感のビスケットも食べたことでお腹も膨らんで、満足。

 

充実のおやつタイムでした。

 

 

 

おやつを食べ終えてから、ポインミーは台所の机からリビングの机に移動しました。

 

ブーンちゃんに手紙を書くのです。

 

ブーンちゃんはポインミーの友だちのひとり。

 

今は遠くに住んでいて、ふたりは定期的にお手紙を送り合っています。

 

ポインミーは引き出しからレターセットを取り出し、どの便せんを使おうか選びます。

 

このカボチャみたいなこっくりした黄色のなんて、どうかしら。

 

そして文を書き始めます。

 

「ブーンちゃんへ。
こんにちは。
最近少しずつ日が暮れるのが早くなってきたね。
ポインミーは太陽が好きだから少し寂しいけど、
涼しい風はとても気持ち良いです。

この間のお手紙で紹介してくれた本
『古代地下大帝国』を読んだよ。
本当に昔地下に文明があったんじゃないかと思うくらい
空想の世界に入り込んでしまったよ!
しかも、まさか主人公のピンチを
折れ曲がった歯ブラシが救ってくれるなんて…。
すごく面白かったです。
紹介してくれてありがとう。

…。

…。

…。」

 

書き始めるとまた時間が過ぎるのを忘れてしまい、便せんの終わりに自分の名前を書いた頃には、外は暗く、そして静かになっていました。

 

嵐が過ぎ去ったのです。

 

庭の方を見ると、台風を耐えきり、雨水をたたえた地植えの植物たちが、誇らしげに、そして一回り大きくなったように見えます。

 

ポインミーは夕ごはんに焼き鮭・ワサビ・海苔・白ゴマのお茶漬けを食べながら思いました。

 

(明日はお手紙をポストに出しがてら、朝から散歩をしようかな。鉢植えを庭に戻しつつ、他の植物たちの様子もみないとだね。そうだ、リンダさんにミトンも見せよう。)

 

明日もやりたいことがたくさんです。

 

ポインミーは今日も満たされた気持ちで眠りに就きました。

 

今日もあっという間に1日が過ぎていったね、ポインミー。

 

おしまい。