朝の散歩(フジオのブログ)

日記、感想、創作など。

『ボクと魔王』の思い出②

前回から少し間がありますが、また『ボクと魔王』の思い出やら感想を好きに書いていきます。

 


前は主にストーリーや世界観についての感想を書いてました。そして、書きながらそれらを楽しめるのって、やっぱりキャラクターが魅力的だからだよねとも思っていました。見た目が可愛らしいキャラたちの心の動きがしっかり書かれていたから、こんなにのめり込んでしまっているんだと思います。

 

キャラクターデザインされた関本努さん。こんなに魅力的なイラストを描かれますのに、この『ボクと魔王』以外の作品で氏の作品を見たことがないのです。長年インターネットの海を探し回っていますが見つからないのです。別名義で活動されているのでしょうか。そのミステリアスさや希少性がキャラ達の特別感を強めているかもしれません…。

 

イラストのほうのペンでしゃかしゃか描かれた絵本の中の登場人物感も、ポリゴンのほうのお人形みたいな感じもどちらも愛おしいです。

 

もちろん、見た目が魅力的なだけでなく、彼らの発するセリフも好きです。風貌はみんなデフォルメされた可愛さなのに、メインキャラからサブキャラまで、キャラのほとんどがすごく人間味があるというか俗っぽくて、そこが好きでした。今見たらまた違った印象かもですが。

 

 

<個別のキャラの感想>

■マルレイン。取扱説明書のキャラクター紹介のところに「可愛いところもある。」と書かれていましたが、途中までは「全然そうは思わん!」と思いながらプレイしていました、わがままだなーと。が、途中からまんまと可愛いと思ってしまって好きになりました。いわゆる‘ギャップ萌え’というやつに初めて出会したのが私にとってはこの女の子でした。

 

■リンダ。ギャップといえばリンダちゃんも良い意味で酷かったですね。小悪魔という言葉がピッタリ。強かで可愛くて好きです。

 

■ビッグブル。単細胞キャラと見せかけて、案外とパーティの中では一歩引いた目線も持っている印象がありました。

 

■キスリング。オバケヲタ(博士)のキスリングもさ、変人風だけど案外大人だったり仲間想いな一面が見えて好きでした。


■ロザリー。22歳とかヤングじゃん。でもストーリーの中では年増扱いされてさ、お姉さんというかリーダーポジでさ、頑張ってるんだよな。可愛いな。

 

■おばあちゃん。みんなが主人公のことを忘れてしまった時も忘れなかったおばあちゃん!あなたも分類に囚われない人なのでしょうか。

 

■マギー。シンプルにキャラデザが可愛い…。ピンクベージュのポニーテール(ふわふわ揺れる)とハイネックノースリーブのトップス。

 

■ベーロン。一応この作品のラスボスなわけですが、確かに自分勝手なことをしているんですが、どこか物悲しい感じなんですよねぇ。心の傷が癒えますように。確かベーロンの妻(マルレインの母)が亡くなっちゃって、ベーロンは娘に固執するようになったんじゃなかったっけ?プレイし直して確認したいです。

 

■図書館司書たち。結構ストーリーの核になることを言ってた気がする!今度やる時は一字一句漏らさないように記録したい。

 

■ホプキンス!姿は見えない伝説の存在。誰なのなんなの。

 


…といった感じで無限にキャラの印象を書けそうなのでここらへんで切り上げます。

 

ちなみに「よし、PS2を引っ張り出してきて『ボクと魔王』再プレイしよう!」と簡単にならないのは、戦闘とダンジョンが大変だからです。戦闘自体というより、その頻度の高さがキツい。あとダンジョンがそれなりにあって、方向音痴な自分には少しキツくて。はい、全部言い訳です。時間見つけてやり直したいですね。

 

 

<町も好きです>

キャラクターも好きなんですが、同じくらいそのキャラたちが訪れる村・町・街も素敵なんですよねえ。サントラも相まってどの街も印象的です。

 

■テネル。一本道に藁葺き屋根の家々が並ぶ、主人公の地元。規模も設備も人々のマインドも「田舎」。水のトラブルの件を除けば平和な村なイメージなんですが、なんだかサントラがちょっとミステリアス?不穏な感じがして、緊張していました当時の私は。でもこの曲って『ボクと魔王』ぽさがつまっていて好きです。

 

■マドリル。テネルに比べて大きく、建物も鉄筋コンクリートで建てられている感。ビルとか。でっかい歯車!そして街自体が二階建て!この世界の中で一番都会を感じます。でもなんでしょう、街全体の照明が暗め?緑色?でこの街にいる時も私はなんだか心がザワザワしていました。そして、照明に反してサントラは軽妙、落ち着きませんでした。イントロの歯車回ってる感とかシティ感溢れるサウンドとかは街にピッタリと思いますが…!

■リシェロ。水の上に浮かぶ町。マドリルに比べて開放的なのと、初めてサントラと町の雰囲気とが一致しているように感じられたので好きな町です。灯台があるのも素敵。スタンが「魚くさい」みたいなことを言っていたような…?他の町もそれぞれの香りがあるんでしょうね。

 

■トリステ。外壁に囲まれ門は閉ざされていたのでしばらく中に入れず、気になる存在でした。で、ストーリーの途中で主人公が孤独な状態に置かれた時に門が開かれて…。中に入った時は、なんでしょう、中の人たちと会話ができて、サントラ冒頭のピアノっぽい音が雨上がりの日差しのように感じられて、すごくホッとしたのを覚えています。空気になってしまった、必要とされなくなった、役割を果たしきれなかった人・オバケが集まる場所。物語の中でも重要な意味を持つ町ですよね。町の風景も過疎地やゴーストタウンみたいな切なさを感じます。しかも古き良きアメリカを思わせる映画館みたいなのがあるかと思えば、中華っぽいデザインの建物があったり、他の町と比べてテイストが定まってないところがまたわくわくします。この世界を作った人の制作過程で生まれたボツ案で成り立っているようなアンオフィシャル感。建物の中にも入れないからハリボテ感もあるかも。でもその分想像が掻き立てられてかなりお気に入りの町です。

 

■ハイランド。ワープしていける、崖同士に橋を渡しあって作られたような、高い場所にある村。ここも曲が良くて、村に降り立った瞬間「ハッ」って感動しましたね。懐かしいような、寂しいような、でも遠くまで見渡せそうな曲だなと個人的に思っています。リシェロは湖に囲まれていたように、ハイランドは空に囲まれていて。曲とグラフィックの相乗効果でとても美しい印象のある町です。でも村人は全然そんなのではないという。夜に村を徘徊していたら岩肌に血がついてるみたいな展開に、当時の自分はがっつりビビっていました。

 

 

<音楽も!>

ここまででも、ちょこちょこ書いてきましたが、『ボクと魔王』の音楽、サントラもすごく好きです。グラフィックはもちろん、サウンドにも各フィールドやイベントの印象がかなり引っ張られています私。今もサントラを定期的に聞いています。

 

■各町の室内に入った時バージョンが流れるのが好きです。音数が少なくなっていることで、外の喧騒が抑えられて静かになるのが本当に室内に居るように感じられて。

 

■Forest of Willkur
さわやか!晴れた初夏の午前中みたい。安全そう!最初のフィールドにぴったりのワクワク感も好きです。

 

■Plain of Lumille
ちょっとジャジーな感じ?カッコ良いですよね。曲の最後の盛り上がる部分で毎回少しテンション上がります。ルーミル平原自体は割と穏やかなフィールドなイメージがありますが、この曲のおかげでちょっと緊張感みたいなものが生まれました。

 

■Pospos Snowfield
これは初めて聞いた瞬間に「好きっ!」ってなったのを覚えています。雪のフィールドにぴったりの寒々しくて物悲しい主旋律の笛っぽい音色。降り止まない雪のような鈴の音。

 

■Addshi Dsert
ラテンアメリカっぽい弦楽器をかき鳴らしてる感じがカッコ良い〜。ぽこぽこパーカッションっぽい音も。こちらも画面全体が赤っぽくて本当に暑そうなフィールドにぴったりの曲だなあって初めて聞いた時に思っていました。

 

■Utopia Corridor
テンポゆっくりの太鼓の音で特別感というか畏まる気持ちが強まって、そしてオープニングムービーで流れている曲と同じメロディが続いて「あ、これから大事な場所に向かっているんだ」って、一本道を緊張しながら渡ったのを覚えています。

 

■Sewer Dungeon
個人的には『ボクと魔王』のザ・ダンジョン曲なイメージで、聞いているとダンジョン攻略中の不安な気持ちが蘇って「ここから出してくれい!」という気持ちになります。どこにも閉じ込められてないのに。

 

■Ruins of Aqua
ダンジョン曲全般そんなに聞いていてテンション上がりませんが、その感情と別として曲自体はカッコよくて好きです。

 

■Wirepoller Building
黒幕商事の曲にしちゃー、カッコ良すぎるんでないかい?と思っています。最初の始まり方が特に好きです。

 

■Escapeless Adyss
私は『ボクと魔王』の全ダンジョンの中で「帰らずの奈落」で一番手こずったので、イコールこの曲がダンジョン曲の中で一番長く聞いた思い出の曲になります。軽度の悪夢です。いまだにこの曲のエッサホイサみたいな掛け声を聞くとテンション下がります。

 

■Big Tree Hole
ここは帰らずの奈落に比べてダンジョンがシンプルだったこともあり、曲の印象も良いです。前半のシッチャカメッチャカという言葉が似合うトンチキな雰囲気が、鳥の鳴き声みたいな音とかホイッスルのような音とかでやかましい感じが、好きです。後半の美しいメロディーの後ろでプッピー!プップクピー!鳴っているのもかわいい。終わりのコメディ感も。

 

■Sealed Cave
早く出たい!

 

■Deep Grave Pit
またおじさんたちのコーラスが入ってる!と身構えた曲。曲と関係ないですが、ここはダンジョンのしかけの「ふるびた石人形」がなんだか意味深で、でも特にゲーム内で語られてなくて(ですよね?)、気になったんですよね。

 

■World Library 
最初の時計がカチカチ鳴る音とかで「わー!」と焦っていました当時。でも曲全体としてはラストダンジョンにふさわしい荘厳な感じが好きです。鐘・女性コーラス・チェンバロ?みたいなサウンドがカッコ良いです。

 

■Home Sweet Home
もう曲名が素敵です。主人公にとって実家や家族はこの曲のように優しい存在なのがよく伝わってきます。

 

■バトル曲は、通常戦闘曲とボス戦曲でそれぞれピンチの時専用の曲が用意されているのが好きでした。あとは吸血魔王戦だけで流れる曲もあって、「何故?」と思いながらも曲がめちゃカッコ良かったのでテンション上がっていました、それのピンチバージョンもちゃんとあるという手厚さ。そしてラスボス戦の曲が個人的に割とコミカルな印象があって不思議に思っていました。

 

■ストーリー(イベント)の前半で流れる曲はやはり陽気なものが多いですね。でも陽気なだけじゃなくてちょっと異国情緒というか不思議成分が織り込まれているのが中毒性を生み出しているんだろうなあ。あとシンプルにメロディがキャッチーです。

 

■Melody from the box
ストーリーと相まって初めて聞いた時「なんだこの胸がキュンと切なくなる曲は…!」と困惑したのを覚えています。こういう曲調に弱いのです。のちに作曲された土井さんが「この曲はチムチムチェリーを参考にして作った」と仰っていたのを聞いた時すごく納得がいきました。『ボクと魔王』をプレイするよりさらに前の保育園児の頃の話ですが、祖母の家にピエロの格好をした2頭身くらいの子供のぬいぐるみ(人形)があったんです。背中だかお尻の部分にゼンマイがついていて、それを巻くと流れたのがチムチムチェリーだったんです。保育園児ながらそのぬいぐるみから流れるメモディを聞くと同様の切なさ苦しさを感じたので。

 

■Marlene's Thema
ゲーム本編の辛いシーンで流れていた曲なので、サントラでこの曲の名前が「マルレインのテーマ」と知った時はぐぉぉとなりました。

 

■これもまた「シリーズ;記憶違い」かもしれませんが、エンディンのテネルで流れているお祭りっぽい曲はサントラに収録されてません、よ、ね…?あの曲もカチャカチャ感とお祝い感が出てて好きなんですよねえ。

 

■HigherBreath
めちゃくちゃ好きな曲なんですが、今でも聞くたびに初めてエンドロールで流れた時の「エンディングを迎えて嬉しいけど、この楽しい物語が終わってしまう悲しみ・絶望感」がうっすら蘇ります。このボーカルのミステリアスな感じに惹きつけられて、追い求めて行ってそのまま帰って来れなくなりそうな怖さもあります。確かこの造語にも意味だか法則性があるんでしたよね?私はいまだにわからないままですが、知りたいような、このまま謎のままにしておきたいような。コアファンの方々はご存知なのかもですね。

 

■Emotional universe
サントラの1曲目だけどゲームには入っていない曲!この曲が実質『ボクと魔王』のイメージソングだったのでしょうか。この曲を元に他の曲が派生して生まれていったイメージです。タイトルが『ボクと魔王』っぽくないけど、それが逆に『ボクと魔王』っぽくて好きです。

 

■The circus
サントラでHigherBreathのあとにある最後の一曲。これもゲーム本編には出て来ない曲で、はじめて聴いた時は「『ボクと魔王』の新曲だ!」と、衝撃を受けました。メロディは既出曲と全然違うんですが、それなのにとっても『ボクと魔王』っぽくて大好きな曲です。曲名通りであれですが「サーカス団が曲芸を披露している」みたいなイメージがあって、でもそれは暗闇の中で行われていて、陽気だけどなんだか不気味な、それでいてずっと見ていたくなるような映像が頭の中に浮かびます。大好きな曲です。

 

ボクと魔王』のサントラは、全体的にファンタジー感があって異国情緒溢れるけど、具体的な国名は特定できないような不思議さが好きで、自分の中では唯一無二の存在になっています。

 

…まだ書き足りない!けど一旦ここまで。次で終わりになると思います。

 

おしまい。