最近読んだ本の感想です。
梨木香歩『ここに物語が』
この本は、これまで作者が書籍や雑誌など各所に寄せた、さまざまな本にまつわる書評や解説・あとがき、エッセイをまとめた作品です。
書かれた年代は00年代のものから2021年のものまでバラバラ。
それがトピックごとに編集されて1冊になっています。
私は作者・梨木香歩の作品が好きで、未読のものを見つけるととりあえず手に取ってしまいます。今回も同じ理由で読みました。
どうして梨木香歩が好きなんだろう。彼女が話題に出す内容が好き、そして彼女の静かで綺麗で真面目で、でもどこか暗いような厳しいような感じの文章が好きなんだと思います。
ただ、好きだけどサラサラとは読めなくて、ちまちまと1ヶ月近くかけて大事に読んでいきました。
『ここに物語が』では何10冊も書籍が紹介されていて、目次を読むだけでわくわくしました。
その中の大半はこれまで自分が読んだことがないもの。
時代・地域・ジャンル(小説・歴史・自然・戦争・環境・絵本など)もバラエティに富んでいます。
仮にこれらの本を図書館や書店で見かけても、読もうと思わないもの、たとえ手にしても読みきれない、私には理解しきれないであろう作品が多かったです。
そういった作品を、単なる書評だけでなく、作者の日常生活や日頃考えていることに絡めて紹介されているので、関心を持ちやすかったです。難しそうな本でも少し読んでみたくなりました。
そして、純粋にエッセイとしても楽しかったです。
20代中盤くらいから、自分の見えている世界の狭さ、関心を持つ対象の狭さが悲しいというか情けないと思っていたので、関心の幅を広げてくれるものに出会えると嬉しいし、ありがたいです。
あと、数少ない自分も読んだことのある作品に対しての解説・感想の解釈が近かったので、「そうそう!そうですよね!」と、友達と感想を言い合っている時のような嬉しさが感じられました。
(その作品について身近な人と感想を言い合った経験がなかったので…)。
まだ梨木香歩作品で読んだことのないものがあるので、これからも追いかけていこうと思います。
・・・
先日この本を読み終わり、マイ「読みたい本リスト」がまた少し長くなりました。
読みたい本がこんなにいっぱい!と胸がキラキラしました。
私はこういったリストを作ること・眺めること・消化することが大好きです。たぶん趣味に近いです。
本以外にも
・読みたい漫画
・やりたいゲーム
・見たい映画
・行きたいお店
・食べたいもの
・挑戦してみたいこと
・ルーティンでやること
とか、なんでもカテゴリーを作って紙やスマホにまとめるのが好きです。
ちなみに消化したものもまたリスト化しています。
リスト化って楽しいな。
そしてそれらのリストを眺めていると、とてもこれらを、たった1回の人生で、楽しく消化しきるのは、不可能だとよく分かります。
おしまい。