最近読んだ本の紹介と、それと直接関係ない感想です。
今回はグラフィック社から出ている
ドミニク・フゥフェル著
『ちいさな手のひら辞典 魔女』
「ちいさな手のひら事典」というシリーズものの1つです。
まず、佇まいがとても可愛らしい。名前の通り、手に収まる文庫本くらいのサイズの本です。表紙の紙質はマットでサラサラしています。そしてふっくら柔らかいです。側面も金色、三方金でゴージャスです。この本が本棚にちょこんと並んでいるだけで嬉しくなります。
2ページに1枚挟まれるポスター絵のような挿絵がレトロ可愛いく、ページをパラパラめくって眺めるだけでも楽しめる本です。
その分、辞典と名前はついていますが、情報量はそこまで多くないです。
魔女に関する歴史、文化だけでなく、妖精とか神話とか迷信といった、不思議まわりの内容が載っていました。主に西洋の内容で。事実とイメージがごた混ぜで。アジアや西アジア、アフリカ、アメリカの内容もあります。
1つひとつのトピックはそこまで詳細に語られていない分、ここに書かれている内容を入り口に、興味のあることは自分でもっと調べてみたくなりました。
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私は魔女というモチーフに心惹かれがちな人間なのですが、今の自分にとって「魔女」ってなんだろうって考えると、中々はっきり答えられないです。
魔女という言葉の「魔」の意味は、人間の理解や支配を超えたものと仮定すると。そういったものは怖い。”怖い”あるいは”強力”と感じるからこそ、支配・使用したくなる心があるとします。
そんな心がある限り、良くも悪くも「魔法」や「魔女」って存在し続けるんだろうなと思います。誰かしらの人の心の中に。ないけど、ある。魔法や魔女という言葉では表されていない場合も多いと思いますが。
こんな感じでやっぱりうまく言葉にできない「魔女」に、私はこれからも心惹かれ続けるでしょう。
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1つのことを知ろうと思うと、終わりがなくて途方に暮れることがあります。
例えば今回の「魔女」についても、関連することを調べようと思うと、地球上の各エリアの地理、歴史、文化(風俗、宗教含む)とか、際限なく確認したいことが出てきます。
でも私はそこまで探究心があるわけではなく、記憶力も理解力もありません。
だから自分の知的好奇心は、広大な知識の海の浅瀬までだけ行って足を突っ込んで「水が冷た〜い、綺麗〜、怖〜い」とか言ってパシャパシャ戯れて、すぐに帰っているようなものだと思っています。
危険を覚悟で遠く深いところまで自力で泳いで行く人、チームを組んで船を準備して大量の収穫物を得ようとする人。どんな分野でも、そんな人たちを尊敬します。
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それはそれとして。
「ちいさな手のひら事典」シリーズの「薬草」も手元にあるので、今後読んでいきたく思います。次の浅瀬へ…!